ヒャクニチソウ 今年(2024年)の夏は異常な暑さの日が続いた。気象庁は記録的な暑さだと報じた。 9月に一旦暑さが和らいだが、すぐに暑さがぶり返してきた。そして、最も遅い真夏日を記録し続けた。なんと、10月になっても真夏日がある。この暑さの原因は偏西風が大きく北に偏ったからだという。そんな中でも、庭のヒャクニチソウは8月からずっと咲き続けている。それもそのはず、ヒャクニチソウは熱帯アメリカのメキシコが原産地だから、暑さに強い植物である。 ヒャクニチソウはキク科ヒャクニチソウ属の1年草で、日本には1862年(文久2年)以前にアメリカから渡来したと幕臣泉本儀左衛門幸直著の「本草要正」に記されている。 茎は直立し、高さ60-90cm。全体に粗毛が生える。葉は柄が無く対生し、先の尖った卵状楕円形で基部は茎を抱く。夏から晩秋までの長期間、枝の先にキクに似た頭状花を開く。 花序の外側には一列の舌状花(花弁に見えるもの)をつけ、これは雌しべのみ。その内側には筒状花を多数つけ、こちらは雌しべと雄しべの両方がある。いずれの花も稔性がある。舌状花は原種では赤みを帯びた紫から淡い紫。筒状花は黄色から橙色。総苞は円形、総苞片は鱗片状で上部のものは黒っぽくなる。園芸品種の花色は豊富で赤、ピンク、黄色、白、変わったところでは緑色の花を咲かせる「グリーン・エンビ」や絞り咲きなどがある。八重咲もある。中心の管状花は黄色で、結実後卵状に高くなる。 八重のヒャクニチソウはフランスの種苗商が1856年に作出したものである。また、ヒャクニチソウはアメリカで大輪の花へ改良された。 和名は百日草。メキシコ原産であるため、夏の暑さに強く、夏から秋までの長い期間咲き続けることからである。また、花の寿命が長いことからウラシマソウ(浦島草)やチョウキュウソウ(長久草)の別名もある。英名は Common zinia、youth-and-old-age (若者と老人)で、次々に咲き、新しい花と古い花を楽しめることから名付けられたという。 学名はジニア・エレガンス(Zinnia elegans)、ジニアはドイツ人でゲッティンゲン大学の植物学者のJ.G.Zinnの名前から、エレガンスは優美な花姿からである。 |