カラスウリ![]() 花後、雌花は楕円形の果実となる。果実は熟すまでは緑色で、周りに溶け込んで目立たない。秋に赤熟する。 カラスウリの蔓には粗毛があり、また巻きひげで他の木に絡みついて長く伸び、10m以上にもなるという。8月頃になると、蔓の先端は地上に向かって降りてきて、土の中に潜って根を出しイモを作る。翌年になると、このイモから蔓を出して成長する。このように種子だけでなく蔓からも子孫を増やす。 名前の由来は、 ① 食用にならないウリで、カラスが食べるだろうとされてこの名があるとする。 ② 唐から輸入された朱赤色で卵形の朱の原鉱である唐朱に類似しているためという。 ③ 唐から渡来した唐墨(朱墨)に似ているから。 ![]() 種子は生薬名を王瓜仁(おうかにん)または王瓜根(おうかこん)といい、鎮咳、去痰などに用いられる。塊根は多量のデンプンの他に、ミナラル、アルギニン、コリンなどを含み、漢方では利尿、活血などを目的に処方される。民間療法では熟した果実の果汁と果肉を、しもやけ、肌荒れなどに利用する。 ![]() 未熟な果実は塩漬け、みそ漬けにすると、食用になる。ただ、熟すと苦くなって食べられない。イモを細かく刻み、数日間水にさらし、あくを抜いて臼で搗き、布袋で揉み出して乾燥させた粉で餅を作った。 |