マメザクラ(豆桜) バラ科サクラ属の落葉小高木あるいは低木、幹は基部から分岐して樹形は傘状となる。日本の固有種。別名:フジザクラ(富士桜)、ハコネザクラ(箱根桜)。高さ3-8m。樹木としてはさして大きくならず、大きいものでも10m程度であり、樹高1m程でも花をつけるようになる。この特徴は栄養や気候から生育の難しく大きく成長できない亜高山帯でも子孫を残せるように変化したものだと考えられる。このため、亜高山気候の場所でも育ち、一般的な桜より寒さに耐える。フジザクラ、ハコネザクラの別名もあるように、富士山や箱根山を中心に北は八ガ岳、南は伊豆半島、東は房総半島にまで分布するサクラの野生種の一つである。富士山を中心とする火山地帯に新しく生じた種であると考えられている。天城連山の東裾、標高600mから1100mの天城高原一帯には、約5千本の自生種があると言われている。マメザクラの名は花と葉が小さいことによる。花期は3月下旬~5月上旬。花弁は5個、白から淡紅色で長さ1センチ前後の小輪の花が若葉の前、または同時に開く。 サクラの中でも個体ごとに変異が大きく種間雑種しやすく、多くの栽培品種の基になっている。 |