![]() ![]() キク科の花では雄しべの花糸は独立しているが、葯は隣同士が合着して筒状になっている。それに対し、マツムシソウでは4本の雄しべがそれぞれ独立していて、葯は花糸の先にT字形に付いている。 花は周辺花から咲き始め、中心花へと同心円状に咲いていく。雄性先熟で、雄しべが出て花粉を出し切ったら葯が散り、雌しべの柱頭が立ち上がる。このようにして、同花受粉や隣花受粉も避けている。 ![]() では、松虫鉦の名前はどうして付いたのか。この鉦の音を聞くと、チンチンチンチンと聞こえる。人によってはリンリンリンと聞こえるかもしれない。この鉦の名前は松虫の鳴き声に似ているからのようだ。 文部省唱歌に「蟲の声」という歌がある。 あれ松蟲が鳴いてゐる。 ちんちろちんちろ ちんちろりん。 あれ鈴蟲も鳴き出した。 りんりんりんりん りいんりん。 あきの夜長を鳴き通す あゝおもしろい蟲のこゑ。 松虫の鳴き声、少し違うようにも思えるが、似ているようにも思える。聞く人によって表現が変わるのは仕方が無いかもしれない。松虫と鈴虫は同じコオロギ科の昆虫で、よく似ているが松虫の方が少し大きいようだ。松虫の体長は19~33mm、鈴虫の体長は17~25mmだという。ただ、かつては松虫と鈴虫は混同していて、松虫を鈴虫、鈴虫を松虫と言っていたこともあるようだ。 マツムシソウの学名はスカビオサ(Scabiosa)、「かさぶたのある」という意味である。あまりいい名前では無い。この花を皮膚の疾患である疥癬の薬にしたからだという。 マツムシソウは日本全国に分布していると言うが、今や絶滅の危惧が心配されている。 京都府や福岡県で絶滅し、それ以外の都道府県でも絶滅危惧種にあげられている。 |