2021年9月10日~12月7日は「秋の草花と実」展を開催しています。 


 ゲンノショウコ

フウロソウ科フウロソウ属の多年草。平地に自生。7~10月、枝先や葉腋から花柄を出し、径8mm程の花を2~3個上向きに付ける。花は白色から紅紫色、花弁は5個で平開する。下痢止めとして古くから民間薬として使われている薬草。名前の「現の証拠」は効果がすぐ現れるとして付けられた。
収斂作用のあるタンニンを多く含み、乾燥させた地上部を煎じて、急性の下痢や腸炎に利用する。扁桃炎や口内炎、歯茎の腫れには、煎液でうがいをする。虫剌されや軽い切り傷に生薬の汁液をつけるとよい。あせもを改善する入浴剤にもなる。

ツワブキ

 キク科ツワブキ属の常緑多年草。太平洋側は福島県以西、日本海側は福井県以西の海岸近くによく生える。冬にも緑の葉が茂り、何年も枯れずによく生き残れる常緑多年草である。葉は土の中の根から生える根生葉で葉身は基部が大きく左右に張り出し、全体で円の形に近くなる。秋に、葉の間から高さ30~75cmの花茎が直立、上部で分枝して黄色の頭花を散房状につける。頭花は多数の筒状花の周りに舌状花が一列に並ぶ。

 冬から春の若葉は食べられるが、「ピロリジジンアルカイド」という肝臓に悪い有毒な物質をもっており、あく抜きをする必要がある。若い葉柄の佃煮はキャラブキと呼んで賞味する。葉には「ヘキセナール」という抗菌物質が含まれているので、病害虫は少なく、江戸時代には切り傷、やけど、腫物などの薬に使われ、葉を日干しにした生薬は、「橐吾(たくご)」という。

カシワ

 ブナ科コナラ属の落葉高木。全国の山地に自生。雌雄同株。5月、雄花序は葉腋から長く下垂し、黄褐色の小花を多数つける。雌花序は短く、葉腋から出て少数の花を付ける。
花後、秋に卵球形の堅果となる。
カシワは飯を炊(かし)ぎ盛る葉のことである。5月の端午の節句に食べる柏餅で馴染み深い。材は土台、船材、定規、樽などに、樹皮はタンニンを多く含み、鞣皮剤や、樺色、黒色の染色に用いる。



カラスウリ

 ウリ科カラスウリ属の蔓性多年草。雌雄異株。本州以南に自生。真夏の夜に白い花を咲かせ、朝までにはしぼむ。開花中に夜行性の蛾によって花粉が運ばれる。
食用にならないウリで、カラスが食べるだろうとされてこの名がある。但し、カラスも食べない、晩秋に赤く熟す。
黒褐色の種子は、結び文の形に似るので「玉梓(たまずさ)」と呼ぶ。また、「打ち出の小槌」にも喩えられ、財布に入れて携帯すると富みに通じる縁起物として扱われることもある。
種子は生薬名を王瓜仁(おうかにん)といい、鎮咳、去痰などに用いられる。
塊根は多量のデンプンの他に、アルギニン、コリンなどを含み、漢方では利尿、活血などを目的に処方される。民間療法では熟した果実の果汁と果肉を、しもやけ、肌荒れなどに利用する。

コケモモ

 ツツジ科スノキ属の常緑小灌木。高山に生える。樹高は10 - 40センチメートル程度で、直立した幹はぎっしりと密集している。森林に生育するため、日陰で湿度が高く、また土壌が酸性の場所を好む。多くのツツジ科の植物と同様、栄養分の少ない土地でも耐えられるが、アルカリ性の土壌では生育できない。耐寒性にすぐれ、-40℃以下でも耐えることができる一方、夏が暑い場所では生育しにくい。
 寒冷地に生育する広葉樹ではあるが、冬でも葉を落とさない。地中の根茎を伸ばすことで株が拡大する。初夏に長さ約6ミリメートルの釣鐘型の白い花をつけ、果実は直径7ミリメートルほどで秋に赤く熟す。