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高橋京子 花の絵美術館


        ボタニカルアート、安らぎの世界へ

 

    
令和6年9月13日(金)~12月10日(火)は「源氏物語の植物」をテーマに展示しています。 


 源氏物語は、紫式部によって書かれた平安時代中期(11世紀初め)の長編小説で、日本を代表する古典文学として、世界的にも非常に有名な作品である。全54帖(巻)からなり、天皇の親王として出生し、才能・容姿ともにめぐまれながら臣籍降下して源氏姓となった光源氏の栄華と苦悩の人生、およびその子孫らの人生を描く。通説とされる三部構成説に基づくと、各部のメインテーマは以下とされ、長篇恋愛小説としてすきのない首尾を整えている。

 物語の中に794首の歌が詠まれている。このうち植物が詠まれているのは333首ある。また物語中植物は1000カ所ほどに出てくる。実に80種類を越える植物が登場する。数多く登場するのは松、梅、桜、紅葉、藤などである。当時の人々がいかに自然を愛し、花を愛していたかがわかる。
また登場する姫の名前に花の名前を使っている。桐壺、藤壺、葵、朝顔、夕顔、常夏、末摘花など花のイメージを姫に託している。また女性を花に喩えている。紫の上は桜、明石の女御は藤の花、明石の君は花橘など、実に心憎い演出である。
 
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